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インプラント歯周炎を防ぐ!-セルフケア7つのポイント


インプラント治療を受けた患者様の中には、「これでもう歯を磨かなくても虫歯になりませんよね?」とお尋ねになる方が稀にいらっしゃいます。しかし、これは大きな間違いです。インプラント治療ではインプラント体を埋め入れる手術と同じくらい 、インプラントを入れた後の「治療後に自分自身で行うセルフケア」が大切です。

インプラント治療後にセルフケアを行う事により、インプラント周囲炎などの病気を予防する事ができ、インプラントの寿命を延ばして健康なお口を維持できます。また、歯の白さを長くキープする事にもつながります。

今回は、インプラント治療後に患者様がご自分で行うセルフケアの中でも特に重要なポイントを7つ、ご説明致します。

セルフケア7つの重要ポイント

1.毎日の歯磨きをしっかりと行う

インプラント治療を行い人工歯根を埋め込んだ後には、歯の部分にあたる上部構造が人工物となりますので、虫歯になる事はありません。しかし、インプラント治療後に歯磨きを怠ってしまうとお口の中の歯垢(プラーク)が増えることで歯が汚れ、不衛生な状態となってしまいます。

インプラントも天然の歯と同じように汚れがつくので、インプラント治療後には天然の歯と同じように「毎日の歯磨きをしっかりと行うこと」が最も大切なセルフケアのポイントとなります。

2.「インプラント周囲炎」について正しい知識をつける

インプラント治療後に発生するお口の病気の中で最も多いのが、歯周病に似た症状を引き起こす「インプラント周囲炎」という病気です。インプラント周囲炎はインプラント治療を受けた後に歯磨きを怠ってしまい、埋め入れたインプラントと歯ぐきの間にある「歯周ポケット」に歯周病菌が入り込む事によって発症します。

インプラント周囲炎にかかってしまうと、

  1. インプラントを埋め入れた部分の「歯ぐきが腫れる」

  2. 歯ぐきから「出血する」

  3. 歯ぐきから「膿が出る」

  4. インプラントと歯ぐきの間の「歯周ポケットの溝が深くなる」

  5. 埋め入れたインプラント周辺の「歯ぐきがやせてくる」

  6. 「埋め入れたインプラントが自然に抜け落ちてしまう」

といった事が起きます。

これらの症状を防ぐ為にも日頃からインプラント周囲炎について正しい知識をつけておき、毎日の歯磨きを中心としたセルフケアを行う事が大切です。

3.「正しい磨き方」で歯を磨く

インプラント治療後のセルフケアで最も大切な「毎日の歯磨き」ですが、歯磨きを行う際には正しい磨き方で歯を磨く事が重要です。

■歯ブラシの毛先を使い細かく歯ブラシを振動させて磨く

インプラント治療後に行う歯磨きの方法としては、歯磨きをする時に歯ブラシの毛先の部分を優しく歯の表面にあてながら、細かく歯ブラシを振動させて磨くようにする方法がおすすめです。これは、通常の歯磨きの際にも基本となる磨き方ですが、インプラント治療後にも同様に清掃効果の高い磨き方となります。

■歯ブラシは「親指・人差し指・中指」で持つようにする

歯ブラシを持つ時には、親指・人差し指、そして中指の3本の指でペンを軽く持つようにする事で、小刻みに歯ブラシを動かしやすくなります。3本の指で歯ブラシを持つ方法は歯磨きの際に必要以上に力が入りすぎるのを防ぐ事が出来、歯と歯ぐきの境目など、細かい部分も磨きやすくなる優れた方法の一つです。

■歯を磨く時には「順番を決めて」磨く

プラークの取り残しを防ぐ為、歯を磨く時には「順番を決めて」磨く事をおすすめします。歯を磨く順番は患者様によってそれぞれ異なりますが、磨き残しを防ぐためには上あごの歯の裏側を磨く時に「ぐるっと一周して裏側だけを磨く」ようにする方法がおすすめです。 同様にして歯のかみ合わせの部分や歯の表側も一周させ、その部分だけを磨く事で、磨き残しが出にくくなります。(※ 下あごの歯も同じようにして磨きます)

4.歯磨き粉を使う場合は「細かい粒子」の物を選ぶようにする

インプラント治療後に行う歯磨きの時に、粒の粗い「つぶつぶタイプ」などの歯磨き粉を使ってしまうと歯磨き粉の粒子が埋め入れたインプラントと歯ぐきの間に入り込み、炎症を起こしてしまう恐れがあります。そのためインプラント治療後に行う歯磨きでは粒子が細かい歯磨き粉を使うようにするか、デンタルリンスなどの洗口剤を利用して歯磨きを行いましょう。

なお、歯磨き粉や洗口剤は必ずしも歯磨きの際には必要な物ではありませんので、何も使わずに水で歯ブラシを濡らして歯磨きをするのもおすすめの方法です。

5.デンタルフロスや歯間ブラシを使う

歯と歯のすき間にある汚れを落とすには、歯ブラシを使って行う歯磨きだけでは不十分です。歯と歯のすき間に溜まったプラークや食べカスは、デンタルフロスや歯間ブラシを使う事で効果的に汚れを落とす事が出来ます。

6.外出先でも常に歯を磨くようにする

外出先や勤務先などでおやつや食事を食べた後には、必ず歯を磨く習慣をつけるように心がけましょう。食後すぐに歯を磨く事で、食べカスに含まれている糖質をエサにしている歯周病菌の活動を抑え、インプラント周囲炎を防ぐ効果を高める事が出来ます。

7.セルフケアだけではなく歯科医院で定期的にプロのケアを受けること

ここまで6つの「自分自身で出来るセルフケア」をご紹介してきましたが、インプラント治療後のケアは患者様がご自身で行うセルフケアだけでは十分ではありません。インプラント治療後にはセルフケアと合わせて歯科医院で定期的に「プロケア」を受け、インプラントのメンテナンスを行う必要があります。

歯科クリニックで定期的に行うメンテナンスでは、以下のような診察項目があります。

  1. レントゲンやCTなどを使い、埋め入れたインプラントやあごの骨に異常がないかを確認する

  2. 歯ぐきの異常やインプラント周囲炎を発症していないかを確認する

  3. 虫歯や歯周病を発症していないかを確認する

  4. かみ合わせに異常が出ていないかを確認する

このような診察を行うほか、インプラントやほかの部分の歯に付着したプラークや歯石をクリーニングで取り除くなどの「お口の清掃」も同時に行います。

インプラント治療後に歯科クリニックで受ける定期的なメンテナンスは、年に2~3回のペースで続ける事で、埋め入れたインプラントをより長持ちさせる事が可能となります。

「セルフケア+プロケア」でインプラントを長持ちさせる

「歯の白さをキープするセルフケア 7つのポイント」についてご説明をさせていただきました。

今回ご紹介したセルフケアを患者様ご自身が欠かさず行い、セルフケアと合わせて歯科医院で定期的にメンテナンスを受ける事で、埋め入れたインプラントの白さをキープして美しい歯を保つ事が出来るようになります。

「セルフケア+プロケア」を実践しながらインプラントの寿命を出来るだけ長くして、健康で正常な口内環境を保つよう心がけましょう。

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