歯周病や虫歯、事故など何らかの理由で歯を失ってしまった場合、なるべく噛む機能を取り戻したいですよね。その選択肢として「インプラント」「ブリッジ」「入れ歯」がありますが、今回はインプラントと入れ歯に焦点を当ててご説明します。
インプラント
機能回復はもちろん、審美的(見た目)にもとても優れているのがインプラント治療です。
インプラントのメリット
インプラント最大の利点は、元のご自身の歯に近い噛み心地です。生活する上で大切な「しっかり噛んで食事をする」という機能を取り戻すことができます。咀嚼力は入れ歯よりもずっと優れており、硬いものも噛むことができます。入れ歯のように外れたり当たったりすることもありません。
また、審美的にも美しく自然な仕上がりになるので、ご自身の歯と並んでいても違和感がありません。入れ歯のような金属の留め具もないので、ぱっと口を開けただけでその部分がインプラントだと分かることはありません。そして、失った歯の部分のみに治療を行なうため、他の歯に影響を与えないことも大きなメリットです。
耐久性も優れており、ご自身の歯と同じくメンテナンスをきちんと行なえば、何十年も使用することができます。あい歯科クリニックでは、インプラント体は10年、上部構造は5年の保証期間を設けています。
インプラント体とは骨に埋め込む人工歯根の部分で、上部構造は被せ物です。
インプラントのデメリット
保険適用の入れ歯と比べると、費用が高額になります。あい歯科のインプラントは、1本あたり383,400~491,400円(税込)です。分割払いは、月々5,500円(税込)~です。診断、オペ、かぶせ物の料金で、金額の差はかぶせ物の種類の違いです。このほかに、増骨処置などの費用が必要になる場合がありますが、全員必要なわけではないので、口腔内を見てからの判断となります。
インプラントは外科処置が必要となりますが、全身疾患をお持ちの方はインプラントオペができない可能性があります。
インプラントのメンテナンス
ご自身の歯と同じように、インプラントも毎日のブラッシングと定期的な歯科医院でのメンテナンスが必要です。
自宅では、他の歯と同じように歯みがきをしてください。歯科医院では、歯ブラシ取りきれない汚れを落としたり、インプラントの経過を確認したりします。
インプラントのメンテナンスを怠ると、インプラント周囲炎という歯周病のようなトラブルが起きることがあります。インプラント周囲炎は、インプラントの周りが歯周病菌により細菌感染を起こし、歯ぐきの腫れや出血などを起こします。さらに症状が進むと、あごの骨の吸収が進んでインプラントがぐらつき、最悪の場合抜け落ちてしまうことがあります。
入れ歯
失った歯の機能回復手段として、ひと昔前までは多く使用されていた入れ歯は、持病などに左右されずに使える反面、デメリットも多くあります。
入れ歯のメリット
保険適用が可能なので、インプラントに比べると安価に作製することができます。
外科処置もないため、持病や全身疾患をお持ちの方でも治療することができます。
入れ歯のデメリット
最大のデメリットは、噛む力が弱いことです。部分入れ歯の場合、天然歯(ご自身の歯)に比べて噛む力は30~40%、総入れ歯の場合、10~20%と言われています。入れ歯が歯ぐきや頬に当たって痛みや違和感がでることもあり、硬いものを噛むのも難しいので、食事に様々な制限がでてきてしまいます。
また、見た目の問題もあります。レジンと呼ばれるプラスチック素材は天然歯と違う質感なので、見た目が不自然になります。また、部分入れ歯の場合はクラスプと呼ばれる金属の留め具を使うため、口を開けた時ににクラスプが見えてしまいます。
このクラスプをかけている歯が受けるダメージは大きく、歯の寿命を縮めることにもつながります。入れ歯自体ににも汚れがたまるので、虫歯や歯周病のリスクを高めることにもなります。
入れ歯のメンテナンス
毎食後に外して流水下で洗います。夜は、市販の入れ歯洗浄剤につけておきましょう。
部分入れ歯、総入れ歯ともにメンテナンスが必要です。部分入れ歯の場合は、これ以上歯を失わないように、残っている歯のメンテナンスもしっかりと行ないましょう。
総入れ歯の場合、歯の根が1本も無いため、あごの骨の吸収がどんどん進んでいき、入れ歯が合わなくなってガタガタしてきます。調整を繰り返しても骨の吸収によってお口の中が変わってしまうので、なかなかフィットせずやがて作り直しになってしまいます。
ガタガタした入れ歯では当然噛むことが難しいため、噛む力が衰えていきます。この状態が続くと、認知症や寝たきりにもつながっていきます。
後悔しない治療選びを
インプラントと入れ歯についてご説明しましたが、それぞれにメリットとデメリットが存在します。
ぜひ後悔しない治療選びをしてください。
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